Can you hear you?~体の声が聞こえていますか?~ PART2池治 ちあきさん

◇アルティメットが子どもたちの未来を救う!?

アルティメットのさらにユニークな一面を紹介すると、日本代表選考会への応募エントリーに関する記述の中に、以下のような「選考基準」がある。
・変わることの出来る人(⇒聞き入れる姿勢のある人、本気で変わろうとする人)
・気が利く人(アルティメット力のある人)
・声を出してチームに貢献出来る人
・当たり前のことを当たり前にできること
競技者としてのスキルや体力、スピードなどが問われるのは言うまでもない。だが、それだけでは日本代表にはなれない。「スピリット・オブ・ザ・ゲーム」をうたうスポーツだけあり、高い精神力や優れた人間力が不可欠なのだ。何より、日本代表に選ばれ続ける池治さんの誠実な人柄やまっすぐな姿勢がそのまま体現している。若い世代にこのような清々しい人がいるというのは非常に頼もしいかぎりである。

かたや、さらに若いU 12世代の話をすると、いまどきの小学校の体育授業やレクリエーションでは球技に使うボールはわざわざ少し空気を抜き、ベコベコの状態にするそう。なぜなら空気がいっぱいに詰まっているとボールが固く、キャッチするときに指が痛かったり、弾かれやすかったりして、児童が上手くつかめないから。昔は休み時間ともなるとドッジボールをすべく校庭に走り、空気が入ったパンパンのボールを奪い合ったものだが・・いまやそのドッジボールすら危険すぎると禁止される世の中である。実際、文部科学省の平成27年度全国体力テストでは小学生の「ソフトボール投げ」の成績が、男女ともに過去最低を記録した。しかし決して腕の力が低下したのではなく、ボールを投げるうえで必要な身のこなしができないことが原因だと分析される。父親とキャッチボールをしない、ボール投げ禁止の公園が増えたなど、社会環境が「上手くボールを投げられない子ども」を生み出しているのだ。

そこでがぜん注目してほしいのがアルティメットである。ディスク以外の道具を必要とせず、適当な広さの場所と動きやすい服装というハードルの低い条件さえ整えば、いつでも楽しめるスポーツなのだ。しかも全身運動だし、ボールと違って当たっても痛みはごくわずか。中学校の体育指導要領といわず、子どもの体力・運動能力育成のためにもぜひ早いうちから取り入れてほしいものだ。
加えて、「セルフジャッジ」と「スピリット・オブ・ザ・ゲーム」というその特性。競技を通して精神力や判断力、さらにはコミュニケーション能力までも身につけられるではないか。何かわからないことがあると、考える前に何でもすぐ人に尋ね、ただ教えてくれるのを待つのではなく、自身の目でしっかり見て、責任をもって判断する。互いのチームで意見を出し合い、理解しながらゲームを進めていく。それらの行為は子どもにとって大きな成長をもたらすだろう。また、そうして教育の中に競技が取り込まれながら少しずつでもすそ野が広がり、競技人口が増えていけば自然と世間の注目もスポンサーも増えていく。正なる連鎖だ。池治さんを含むトップ選手たちのため、そして何より日本の未来のためにもアルティメットの普及が望まれてならない。

◇まとめ

半ば強引に「アルティメット押し」姿勢を貫いてしまったが、思わずそんな気持ちになってしまうほど、池治さんのアルティメットに打ち込む姿とチャーミングな笑顔は周囲を魅了してやまないのだ。彼女はこれからもアルティメット普及のためにトップ選手として、広告塔として、一層活躍されることだろう。そして何より日本は<世界の強豪国>なのだ。せめて遠征費に困らない、大会前くらいは競技にだけ意識を集中して取り組めるような日々が来ることを願う。

 

◇プロフィール
池治ちあき(いけじちあき):大阪府和泉市出身。中学校でバレーボール、高校でバスケットボールを経験し、大学でアルティメットに出会う。2010年全日本学生新人アルティメット選手権大会優勝、個人MVPを獲得。4年生になった12年全日本学生アルティメット選手権大会でも優勝し、個人MVPを獲得した。同年、初の日本代表入りを果たし、出場した世界大会で20年振りの金メダルを獲得。大学卒業後上京し、アルティメットのクラブチーム「HUCK」に所属。社会人1年目のとき日本代表としてWFDF U23世界アルティメット選手権大会・MIXED(男女混合)部門に出場し、3位入賞。同時に世界大会では初となる個人MVPを獲得した。
所属チーム「HUCK」ではオフェンスキャプテン*を任され、チームの中心として活動。14年の世界クラブチーム選手権大会でベスト8、15年の全日本選手権大会で3位に入賞した。
今年6月にロンドンで開催されるWFDF2016世界アルティメット&ガッツ選手権大会に日本代表として出場予定。

※チーム全体のまとめ役となるチームキャプテンに対し、オフェンスキャプテンはチームの攻撃の軸をつくる人。チームの戦術や攻撃向上のための練習方法、サインの構築、ゲーム時のメンバーチェンジ決定などの役割を担う。


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